福猫・招き猫のお話

 

江戸の昔、武蔵の国でのお話です。ある日、彦根藩二代目藩主・井伊直孝が鷹狩りに出かけた時のことです。その帰り、天気が悪くなり雷雨が降り始めました。あるお寺の前の大木の下で雨宿りをしていると、お寺の門前で猫が手招きをするので近づいてみたところ、先ほどまで雨宿りしていた大木に雷が落ち、直孝は間一髪、命拾いをしました。直孝は大いに喜び、またその寺で雨宿りをしながら和尚の説法を聞くうちに和尚とも親しくなり、その縁が元でそのお寺を井伊家の菩提寺とし、多額の寄進をしたそうです。このお話が招き猫のルーツとされています。

ここに一つ面白いお話があります。この福猫・招き猫の逸話をもとに生まれたのが滋賀県彦根市の彦根城築城400年の記念に作られた猫のゆるキャラ「ひこにゃん」です。井伊家は代々彦根城主であり、ひこにゃんの頭にある赤い兜は「井伊の赤備え」からきています。このひこにゃんがかわいいと人気を呼び、彦根のPRに大きく貢献して、その経済効果は数十億円と言われています。まさに福猫です。
西寿寺は滋賀県とは非常に縁が深く、ご本尊の丈六阿弥陀如来坐像は滋賀県の新宮大明神の本地佛です。また近江国石塔寺の阿育王塔を模した三重石塔もあります。何かのご縁で西寿寺に住みついた猫たちもご参拝にいらっしゃった方々の心をいやしてくれる福猫として、だいじに見守っています。

 

泉谷 西寿寺

京都市右京区

   鳴滝泉谷町16

電話:075-462-4851